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鎌倉トリップ「鎌倉文学館(旧前田家鎌倉別邸)」

鎌倉は文学都市と呼ばれ、文豪たちに愛されたまち。

鎌倉市長谷1丁目にある、「鎌倉文学館」。

ここは、鎌倉ゆかりの文学者たちの作品や愛用品を展示する施設。

その建物は、明治から昭和のはじめにかけて、保養所・別荘地として発展した、鎌倉を偲ぶ貴重な遺産のひとつであり、それはそれは見事な洋館なのです。

文学館の広大な敷地と本館は、加賀百万石の藩主で知られる前田利家、旧前田侯爵家の別邸なんだとか。

明治時代に火事で焼失してしまった建物を、昭和11年、前田利為氏が洋風に全面改装したもので、相模湾を見下ろす谷戸の中腹に位置しており、当時の鎌倉の別荘を代表する建物のひとつ。

昭和58年7月、前田家より鎌倉市が譲り受け、昭和60年11月に鎌倉文学館として開館。

建物の窓からは、湘南の海を遠望することができるので、心の静養にはもってこいなのです。

戦後、デンマーク行使やノーベル賞を受賞した佐藤栄作の別荘として使用されたり、作家三島由紀夫の小説「春の雪」の一場面として登場する。

以前から、とても興味があって、一度訪れてみたいなと思っていたのですが、なかなかチャンスに恵まれず。

ようやくそのチャンスが。

ある空が青く澄んだ秋晴れの日、私はふと導かれるように訪れます。

長谷の町の奥、ひっそりとした木々が生い茂るところ。

緑の木立のアプローチを抜けて、格調高い石造りの門をくぐる。

しばらく進むと、成型された石組みのトンネルが。

ちょっと「ドキドキ」視線もくるくる、辺りを見回しながらおそるおそる歩く。

すると…このトンネルを通る間に、いつの間にか昭和にタイムスリップしていくような感覚に陥るのです。

「あぁ、まさにタイムトンネル!」

トンネルを抜けると、美しい庭園と重厚な洋館が目の前に現れます。

1889年(明治22年)、横須賀線が鎌倉へ開通。

東京からの便がよくなります。

この頃から、文学者が鎌倉へ訪れるようになり、大正時代には多くの文学者が鎌倉に滞在したり、暮らしはじめる。

昭和に入ると、より良い創作環境を求めて、更に鎌倉へ移り住み、彼らは親交を深め、やがて「鎌倉文士」と呼ばれ、鎌倉カーニバルの発案や貸本屋鎌倉文庫の開店など様々な活動を行うようになります。

「鎌倉文士」はその数、100人にものぼるとか。

凄いですよね。

鎌倉は、その景勝や穏やかな環境に感化され、愛される町だということです。

それは今も尚、変わらないと思う。

ステンドグラスやアールデコ調のデザインが施された館内には、川端康成、芥川龍之介、三島由紀夫、与謝野晶子…数々の文学者たちの作品が並べられ、直筆原稿や生き様に胸をうたれます。

小説や文学に興味があれば、興奮すること間違いなしです。

自分も執筆してみたくなるかも。

館内を堪能した後は、丁寧にお手入れされた、美しい庭園とバラ園を散策。

バラ園から臨む洋館の構図もとても素晴らしいのです。

鎌倉といえば、メジャーな観光スポットが取りだたされがちですが、なかなか穴場?な鎌倉文学館は、鎌倉の観光としてとてもおすすめ!

是非、鎌倉を愛した文豪たちに自分を重ね、過ごしてみてはいかがでしょうか。

きっときっと、幸せな気分に浸れます。

静かな門構え

木立が爽やか
門構えもステキです

石組みのトンネル

タイムトンネルでワープ!

洋館が現れました

こちらが文学館入口

重厚な造りです
思わず緑を覗く

昭和の雰囲気が漂いますね

ブロンズ像と洋館

青い空が眩しい

これぞ、昭和の別荘のモデルとなる

このアングルもすてき!
凛とした佇まい

空と山と別邸

麗しい庭園が広がる

バラ園へ

バラ越しに見える洋館

至るところに灯柱の歌碑

高浜虚子の句が刻まれています
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